ここからは、専門的なお話になるので、少し難しいかも知れませんが、出来るだけ簡単に説明を進めて行きます。
最初にやる事は、タイムアライメント調整という物です。
これは、各スピーカーから運転席に座っているドライバーまでの距離を、電気的に合わす(音を遅延させる)作業になります。
たかが数十センチの事ですが、コレを正確に合わせてやらないと、同じ音量で左右のスピーカーが鳴っていても、音がドライバー側に寄って聴こえます。
そこで問題なのがサブウーファーで、私の経験上、このサブウーファーが一番遅れて聴こえる事と、リアスピーカーの存在です。
各メーカーのタイムアライメント設定に対する説明書通りだと、運転席の位置に合わせて、リアスピーカーもその距離を入れて下さい!となっていますが、あくまでもドライバーはフロントスピーカーの音を聴いていて、リアスピーカーは後部座席に乗った人が聴く為の物だと、私は考えます。
すなわち、一番音を遅らせないとダメなのはリアスピーカーで、一番早く音を出さないとダメなのは、サブウーファーって事になります。
そうなると、距離を入れて簡単に合わす事が困難なので、実際に測定器で計った音の遅延データを入力しないとなりません。
上の画像の通り、助手席シート下にあるサブウーファーの遅延が、7.57mとなっています。コレこそが、サブウーファーが遅れて聴こえる原因です。
タイムアライメント設定が終わったら、次は周波数特性を合わす作業になります。
基本フラットに合わせれば、ソレが一番良い!とは言いませんが、まずはフラットにする事から始めないと、オーナーの好みの音に合わせる等、先に進める事は出来ません。(このフラットな音とは、どの音程に対しても、同じ音量になるように、スピーカーの特性を合わせる事を指します)
例えば、スピーカーから出た、高音のキンキンした音が強いと、少し音程の低いカンカンした音や、更に高いシンシンした音が聴こえ辛くなります。(これは人間の耳の特性上、強く聴こえる音に、その周辺の音がマスキングされてしまうからです)
高音の一部の音を下げているのに、逆に高音が聴こえて来る?!な〜んて現象が起こります。(人間の聴覚って不思議ですよネ?!)
調整前スピーカーの周波数特性は、こんな感じです。
左右のスピーカーは同じ物を使っているので、全く同じ特性かと言うと、決してそうではありません。(だからナビ等に付いているイコライザー機能で、一生懸命合わせようとしても、適当にしか合わない訳です)
キッチリと、左右のスピーカーや、フロント/リアのスピーカーも、出来る限り特性を合わせて行きます。
まだまだ途中経過ですが、最終の画像が無くてすいません。サブウーファーは、ロードノイズ等の影響を一番受けるので、少し大きめの音量になる様に設定する方が良いです。
最後に全てのスピーカー出力レベルを合わせて終了となります。
そこでリアスピーカーのレベルにも一工夫!
先述した通り、リアスピーカーは後部座席に乗車した人の為にあるスピーカーだっ!と言いましたが、フロントスピーカーの音が、リアに乗車した人にも、当然聴こえてしまいます。
そこで、ドライバーが聴いている音量と、後部座席に乗車した人が聴く音量が同じくらいになるように、リアスピーカーの音量を調整します。
後部座席に乗車した人に「CDの音がウルサイので、音量下げてっ!」なんて事を、言われた経験はありませんか??
これはメーカーの取扱説明書通りに、デッキやナビの自動音響調整機能を使ったり、何となく取説通りに、自分で設定された方に多く起こりますが、少し考えれば当たり前の事で、リアスピーカーの音量をドライバーの位置で、尚且つフロントスピーカーと同じ音量になる様に合わせてしまうと、後部座席に座っている人にとっては、ウルサくてたまった物ではありません。
このように多種多様な事を考えて、調整作業をするとなると、オート調整で合わすなんて事は不可能ですし、ちゃんと理解した人が調整作業をしないと、良い結果になる事は極めて少ないです。
凄く長くなりましたが、これでカーオーディオ音響調整編も終了です。
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