音響測定器のはなし。

こう出張続きになると、ネタにも困るので、音響測定器具について、追々はなしをしてみたい。
かなりマニアックで、小難しい展開になる事が予想されるので、ブログ受けするかどうか・・・??
出来るだけ簡単な所から進めてみたい。

まずは、音響測定は何の為にするのか?!
一つは音を良くする為と答える方が多いと思うが、実は機材を安全に使用する為。(壊れにくくする為?!)というのが、第一目的だと私は思っている。
スピーカ(拡声装置)やアンプ(電力増幅装置)といった、純アナログな機材だけで、安全に使用する事は、よほど電気的な知識が豊富なプロの方達でも難しい事である。
元々コンプレッサーという音声信号を圧縮する機材や、イコライザーという音質を補正する機材等は私がこの業界に入った30年足らず前から存在していたが、スピーカプロセッサとかいう、それらが一体になったデジタルコントローラという代物は、およそ15年程前に登場した機材である。
従って、それまでの音響測定器という物は、リアルタイムアナライザー(RTAと略す)だったり、スペクトラムアナライザーというアナログ主体の測定器が主流で、それらの機材は今でも存在するし現役で活躍もしているのだが、PCの普及に伴いFFT(ファスト・フーリエ・トランスレーション)という新しい手法でもって測定する機材が登場する。
もちろん専用機(GOLD LINE社のTEF20という機械)もそうだが、オーディオインターフェイスを使ったPCアプリとして普及に拍車が掛かる。

当の本人もTEF20を使っていたが、なにせ価格がマイク等を含めると150万円近くする高価な機材なので、よほど口が上手い技術者でないと、会社でもおいそれと購入してもらえない!!

そこで自分でもかなりの勉強をして会社の上司を説得に当たる訳で、FFTとはなんぞや!!という所も勉強してきた。

RTAとFFTの違いという所から・・・。(だんだん頭痛くなって来た?)
RTAは棒グラフで、FFTは折れ線グラフと表現する方もいるが、簡単に言うとその通りで、上手く表現されている。
じゃ〜なんで棒や折れ線になるのか?!という所を少し説明しなくてはならない。

やっぱり、小難しくなってきたので、ここらで筆休め。 次回に続く・・・。

| 音響職人 | 音響調整って何?! | 15:43 | comments(1) | trackbacks(0) |
音響測定機材のはなし。2

ここんとこ確定申告やら何やらで、金勘定の苦手な私は頭が一杯になり、そこえ持って来て年度末という事で(例年ならあまり関係無いのだが)、細かな仕事も急に入ったりで、ブログの更新も滞って大変申し訳ないっ!!

音響測定機材のはなしという事で、合間に執筆しようか?!と思っていたが、それもなかなか進まないっ!

前回はFFTとRTAとの違いを解説する所で終わっていたかと思う・・・。

FFTはサンプリングレートをポイント数で割って、周波数を各ポイント毎にデータを取る事で一つのグラフを表示しているので折れ線になる訳である。
すなわち48kHzを4800ポイントで割ると10Hz毎にポイントを取る事になる。
10Hzの次は20Hz、30Hzの次は40Hzと一つづつ・・・。
10kHzの次は10.01kHz、10.01kHzの次は10.02kHzとなる・・・。
そう書くと勘のイイ人や業界の方はピンと来ると思うが、いつも見慣れているLogスケールのグラフでは、低い周波数に於いてはかなり荒く、高い周波数に於いてはかなり細かいグラフになってしまう・・・。(高い周波数では、かなりギザギザなグラフ?!)
そこで全帯域に於いて2オクターブバンドに分割し、そこそこポイント数をバンド毎に割り当てる事で、見慣れたグラフに当て込む事をしたのが、かの有名なSIM(メイヤーサウンドの測定器)である。
現在PCのアプリで業界標準的なSmaartというソフトウェアもMTWというネーミングで、同じような事をしている。
そのSmaartというソフトも実は私、Ver1.0からのユーザーである。(今はVer.7になっている)
このソフトウェアはVer2.0になった時にMTWの前身であるFPPO(FixPointPerOctave)と呼ばれる形で、このような表示を実現した。(当時は画期的だった)

FFT測定器についてはそのぐらいで、次はRTA測定器について。

RTA測定は細かく表示すればする程、FFTのグラフに近付いて来るが、結局はそのバンド幅にある音響エネルギーを表示しているに過ぎない。
そう書くとFFT測定器の場合は時間領域をも管理している所が大きく違う訳だが、そこを説明するとなると、ややこしくなるので位相が見られるといった所で勘弁頂きたい。
通常のGEQだと、機材的にも1/3Octが一番細かいので、20Hz〜20kHzを31バンドで分割した棒グラフを表示させる事が多く、ピンクノイズを出力して測定する。

う〜ん、やっぱりブログ受けしないかっ!?
次回があるか?!要検討である・・・。 今回はここまでっ!!

| 音響職人 | 音響調整って何?! | 19:15 | comments(1) | trackbacks(0) |
音響測定機材のはなし。3

結局の所、RTA(リアルタイムアナライザー)測定器は全帯域に渡り、1/3Octバンド毎にフィルターを掛け、そのバンド毎に音圧を示した物に対し、FFT測定器は一つ一つポイントを集め、数値をグラフ化すると共に、それを時間という領域で管理している物と言える。

私が仕事で現在使用しているSmaartという測定ソフトはFFT測定器に属するアプリケーションである。

このソフトでは、ある周波数に対し、この周波数は時間的な遅れを持ってして来ているのかどうか?が分かる(位相が見れる)というのも、このFFT測定器の優れている所だが、この基準になる音に対し時間的なズレがある音も示してくれる。(コヒレントと呼ばれる指数である)

どういう事か?!というと、スピーカから測定マイクまで直接飛んで来る音を基準とした場合、壁に当たって飛んで来る音は時間的なズレが生じる。 しかしながら、時間的にズレがあっても音圧が上がる事には違い無いので、グラフ上では上がった数値が示される訳である。 その上がった数値には信憑性が無い?!といった所からコヒレント(整合性と訳される?!)指数が低いと表示される訳である。(結構プロの方達もコヒレントの意味を知らない人が多いので簡単に解説させて頂いた)

スピーカとマイクの関係が一対一の場合には有効だが、大きなコンサートPAの現場のように、複数のスピーカが干渉し合って拡声されている場合は、不都合が多かったりするので、現場に合わせてソフトを使い分けたり、見方を変えたりしながら調整しないといけない。

Smaartというソフトの代理店でも無いので、このソフトの説明はこのぐらいに、マイクの特性や高価なマイクと安価なマイクの違い等は、以前のレポートも参考にして頂けるのでは?!と思っている。

最後に、マイクとPCの橋渡しをするオーディオインターフェイスだが、最近のSmaartV7というバージョンから、基準音(ピンクノイズ)をソフトから出力して使用し易くなったので、そういう使い方をする方には注意が必要かも知れないが、基準音もオーディオインターフェイスを使ってPCに入力する人達にとっては、基準になる音も測定に使うマイク入力も同じインターフェイスで、それらの音の差分を見ている場合は、必要以上に高価なインターフェイスは必要無いと考えている。

ちなみに多チャンネルの物だと、あまり選択肢は無いのだが、私の場合は一応メーカー推奨の物を使っている。

う〜ん!?このぐらいで、ややこしい測定器の話は終わりだろうか?!
最初は素人の方達にも分かるようにまとめようと思っていたが、やっぱりブログ受けにするのは難しい題材だったようだっ!(反省っ!!)

| 音響職人 | 音響調整って何?! | 13:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
測定マイクのいろいろ − 1

さぁ~て、測定マイクのいろいろについて、始めたいと思います。(ちょっと技術的な表現もあるかも知れませんので、質問のある方はコメントをジャンジャン入れて下さい)

まず今回購入したマイクは、EarthWorks社製のM30というモデルが5本と、Behringer社製のECM8000というモデルが5本です。

何故そんなにマイクを購入しなければならないかは?!前の記事も参考になさって下さい。

まずはそれぞれのSpec表でございます。
Behringer製のECM8000は、実売価格¥3,800-程で購入出来る割と安価な測定用の無指向性コンデンサマイクです。



それに対し、EarthWorks製のM30は定価¥110,000-のマイクなので、値引きがあってもコレ1本でECM8000が20本は買えるんじゃ無いだろうか?!と思える程、私にとっては高価なマイクです。(一応調整業として営む為には最低限コレぐらいの物を使ってないと信用されないと個人的には思っています)



こちらは、1本1本に実測しただろうデータシートが添付されています。(その辺りが価格差なんだろうと思います)

そこでこのグラフに於ける補足説明を・・・。

どちらもフラットな特性なんだろう?!と思わせたいグラフなんですが、ECM8000のスペックに記載されているグラフの上下1目盛は5dBなのに対し、M30は3dBなので、それだけでも結構違います。(M30の5目盛とECM8000の3目盛が同じという訳です)
それとM30は1kHzから上の帯域を詳しく表示させているのに対し、ECMは20Hz〜20kHzのオールバンドをLog/Octスケールでグラフにしています。
メーカー間で測定方法や基準を明確にしているか?!否か?!といった所ですが、そんな事を読み取って判断しています。(プロの方達は、ただグラフが真っ直ぐなのを見て手放しで選んでいる訳ではありません)

これだけの情報なら、M30の方が正確で、高価だけの事はあると締めくくれそうですが、M30ですら1本1本に実測データが添付されているという事は、逆に言うと実際に個体差があるかも?!と確認している訳で、それが実際の現場に於いてどのくらい影響があるのか?!というのも気になったりしませんか??(もちろん誤差の大きい物は不良品として出荷ベースから外される訳で、全数チェックされているだけでも安心感は高いです。 補足的にマッチドペアで売っている物は同じ特性の物を選んで、高価なケースに収められ割高で販売される訳です)
ただ、そんな細かい事を気にするのは私だけかも知れません・・・。
しかしながら高価なマイクを1本持っていれば良いとは限らない訳です。

と言う訳で、次回に続く・・・。

| 音響職人 | 音響調整って何?! | 11:49 | comments(3) | trackbacks(0) |
測定マイクのいろいろ − 2

結局の所、マイクの実測データを採るという時点で基準音を作る作業や測定する環境等が難しくなって来るのだが、取り合えずの感じでスピーカから音を出して複数のマイクを使ってフラットであろう音を作り、とっかえひっかえ同じ環境に於いてマイクを替えてはデータを採るという事しか個人レベルでは出来ません・・・。

環境は出来るだけ部屋の影響を受けないように・・・、とか可能な限り複数の測定マイクを使っては特性をアベレージして行くとか・・・、細心の注意を払って実行しますが、なにせ個人レベルなので、工業試験場のような環境ではありませんし、アテになる?ならない?!は見て下さった方側で判断して下さる様お願いします。
EQはPEQやGEQ等、要所要所を押えてフラットに近付けて行きます。



測定時の環境は、こんな感じでデータを採っていきました。(スピーカは同軸フルレンジの物で、マイクとの距離は、およそ80cmとしました)
測定マイクの後ろにあるのは、楔型でスポンジのような素材(SONEXの75mmタイプ)で、スピーカから出た音のハネ返りをある程度防いでいるつもりです。

さぁて実際の特性は次回へと続く・・・。

| 音響職人 | 音響調整って何?! | 12:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
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